RSKラジオをお聴きのみなさん、おはようございます。本日は、岡山市にあります、
日蓮宗太然寺の住職をしております、大野玄秀がお話をいたします。
 さて、ワールドカップ、ドイツ大会も終わろうとしていますが、華やかな世界のスポーツの祭典の期間中にもあいかわらず、国や人種間の対立、争いが絶えることがなく、多くの人命が失われています。幸い日本では、61年前に敗戦して以来、戦争はありませんが、国際社会の現在、北朝鮮ミサイル問題、イラクへの自衛隊派遣と、戦争には全くの無縁というわけにはいかなくなってきています。
 また、戦争が終わって61年経ちますが、関係諸国、特にアジア諸国には大きな遺恨を残しているようです。ことあるごとに、謝罪を求められたり、教科書内容に対して修正を求められたり、首相の靖国参拝に対して中止を求められたりと・・・。
 「いつまで昔のことをいうのか」と、日本人は思いますが、実際に侵略を受け、占領され、身内を殺された国でなければその気持ちはわからないことなのかもしれません。そして、この遺恨は代々子孫に引き継がれ、永久に消えることがないのかもしれません。当時の日本人がそのくらいひどいことをしたということでしょう。
 ただ、昨年起こった中国のデモ行為、日本人に対するいやがらせ行為は考えものですね。また、先日のワールドカップでは韓国の人達が軒並み日本の相手国を応援して、相手チームが得点を入れると大騒ぎで喜んでいました。竹島問題等確かにありますが、見ていて本当悲しくなります。その点、日本人は、同じアジアの代表なのだからと、韓国を応援している人は結構いたように思います。
「恨みを捨てる」、難しいことなんでしょうね。
 このように、多くの人命を奪い失い、末代まで遺恨を残す悲惨な戦争が、現在でも絶えることがないということは、本当に悲しいことです。
なにはともあれ、日本人としては現在の戦争のない平和をかみしめ、あの悲惨な戦争が二度と起こらないよう、子どもたちや孫たち、全世界の国々へ、戦争の悲惨さと平和の尊さを伝えていく必要があるのではないでしょうか。
 本年10月7日、日蓮宗では「いのりんぴっく岡山」と題した「環境・平和・いのち」をテーマにした祈りの祭典を岡山コンベンションセンター、ママカリフォーラムで行います。
 2003年に東京池上本門寺で第一回目が行われ、2004年に東京柴又帝釈天、2005年には名古屋万博会場などで行われ、そして、2006年の今年10月7日、岡山で行われることになりました。
 この祭典の、大きな特徴は、日蓮宗が主催して行いますが、日蓮宗の檀信徒以外、特に、子どもを含めた若い世代の人達が気軽に参加できるというところです。
 当日は、まず午前十時より、三階のコンベンションホールで、世界平和を願って「いのりの法要」が行われます。日蓮宗宗務総長を導師に迎え、声明、和讃、コーラス、雅楽等も盛り込まれた音楽大法要になる予定です。声明というのは、お経に一定の音程を付けて唱えることです。十数人の声明師と呼ばれる専門のお坊さんたちが、声明を奏でます。和讃というのは、数人でうちわ太鼓をたたきながら、節を付けてお題目などを唱えることで、100人を超える和讃会の方々が出仕されます。
 それから、近くの奉還町商店街から会場のコンベンションセンターまで、百人を超える天童稚児の行列が行われます。子どもたちが、きらびやかな衣装をまとい、世界平和・立正安国を祈念して行列をします。そして、ホールに設けられた御宝前に献花をして、ご祈祷を受けます。
 午後には、センター二階のレセプションホールで、上原まりさんの筑前琵琶の弾き語りコンサートが行われます。上原まりさんは元宝塚ジェンヌで、現役時代には「ベルサイユのばら」で、マリー・アントワネット役を務められたことは有名です。また、平成15年には文化庁長官表彰をうけています。
 また、レセプションホールでは、日蓮聖人御遺文の朗読も行われます。日蓮聖人の残されたお手紙等を声優の方が現代文に訳して語られます。BGMと映像で、感動的なものとなることでしょう。
 センター2階ロビーでは、県内各寺院に代々伝わるお寺お宝の紹介・展示等が行われます。檀信徒の方はもちろん、一般の方々も楽しめるのではないでしょうか。さらに2階ロビーでは、日蓮宗が国内外で行っている様々なボランティア活動、支援事業を紹介する展示ブースもたくさん並ぶ予定です。
 一階のイベントホールでは、おなじみの「ちくわぶえ」、幼稚園児の演技、「だんご三兄弟」で有名な速水けんたろうさんのオンステージも行われ、親子連れで楽しめるイベントが目白押しです。
 センターの屋外広場では、ブラスバンド演奏に始まり、幼稚園児の鼓笛隊も出演予定で、また、たくさんの飲食店屋台が出て、焼きそば、うどん、たこ焼き、カレー、ポップコーン、ジュース、ビール等のお祭り定番のメニューが楽しめます。また、ヨーヨー釣り、スーパーボールすくい、ゲームコーナーもありますから、子どもたちも楽しめるのではないでしょうか。一階のロビーではフリーマーケットも行われ、個人の出店も可能です。
 また、この「いのりんぴっく岡山」に向けて、「南無妙法蓮華経」、「世界平和」、「立正安国」の文字の入った「鶴」を折って、奉納することになりました。文字は日蓮宗宗務総長小松浄慎猊下に御染筆いただきました。
当日の参加者に一人十枚単位で折っていただき、御宝前に奉納します。また、日蓮宗県内各寺院の檀信徒にも折っていただき、あらかじめ各寺院で千羽鶴にしていただき、当日御宝前に奉納します。十万羽を超える鶴が奉納される予定です。その後、広島平和公園、身延山等の本山などに奉納されます。
 このフェスティバルは参加無料で、先程申しましたように檀信徒に限らず、誰でも参加することができます。「環境・平和・いのち」について、みんなで考えようではありませんか。ラジオをお聞きの皆さん、十月七日の「いのりんぴっく岡山」inままかりフォーラムどうか、ご家族連れでご参加下さい。
 本日は日蓮宗太然寺住職、大野玄秀がお話しをしました。
 なお、本日のお話は、インターネットで見ることができます。「仏教アワー」で検索してみてください。日蓮宗のお坊さんのお話だけですが、過去のお話も載っています。
 では、またの機会がありましたらよろしくお願いいたします。 南無・・・